粘土指数向上剤

潤滑油の粘土指数は原油の種類や精製法によって異なるが、現在の精製技術で経済的に可能な基油粘土指数は100前後が一般的である。

しかしエンジン油、自動変速機油、NCマシン油などでは140~200程度の粘土指数が必要とされ、粘土指数向上剤を加えないでこの要求を満たすことは不可能である。

粘土指数向上剤は高分子であることから使用中に分子がせん断されても、その効果が低下しないという性質があり、添加剤の選択が重要な課題である。

粘土指数向上剤は分子量が5,000~1,500,000のポリマーで、溶媒に溶解した時、用いた溶媒の種類及び温度に応じて、ポリマー分子は糸まり状から長く伸びた状態をとるという性質がある。

一般にポリマーは溶解力の小さい溶媒や低温中では糸まり状に凝集し粘土の上昇はわずかだが、溶解力の大きい溶媒や高温中では広がった状態となり粘土の上昇が大きくなる。

したがって、粘土指数向上剤は温度が高くなるにつれて基油の粘土が低下するのを防ぐ役割をする。

ポリメタクリレート系(PMA)やオレフィンコポリマー系(OCP)、または、これらの混合物が、代表的な粘土指数向上剤である。

 ■ 粘土指数向上剤の種類

  ● ポリアルキルメタクリレート

  ● オレフィンコポリマー(OCP)

  ● ポリオレフィン       

  ● ポリアルキルスチレン

Link List