高張力鋼板

高張力鋼板は合金成分の添加、組織の制御などを行い強度を向上させた鋼材。

厚板では引張強さ50kgf/㎟(490MPa)以上の鋼、薄板では引張強さ40kgf/㎟(390MPa)以上の鋼の総称である。

但し、この定義は各社,各国によって異なる。

俗称をハイテンといい、引張強さによって~kgf級と呼称される。

鋼を強くする機構別に現在使用されている高張力鋼板を見ると、

 ■ 固溶体強化型高張力鋼板

  鉄の結晶中に炭素、ケイ素、マンガン、リンなどの原子半径の異なる原子を固溶させて、結晶格子を歪ませて鋼を強化させた高張力鋼板

 ■ 析出強化型高張力鋼板

  鉄に微量のチタン(Ti)、ニオブ(Nb)、バナジウム(V)などを添付し、これらが微細な炭化物や窒化物として鋼中に析出、分散することによって析出粒子の周囲の鉄格子を歪ませたり、結晶を微細化することにより鋼を強化した高張力鋼板

 ■ 複合組織型高張力鋼板

  特殊な処理法により、展性や延性のよいフェライト組織中に、硬くて強靭なマルテンサイト組織を適量分布させた複合組織を作り出して強度と加工性を高めた高張力鋼板

がある。

疲労強度、大変形強度、耐デント性が求められる部位に使用される。

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