ペンタンおよびトルエン不溶解分

使用中の潤滑油はスラッジや金属摩耗粉などが油中に不要分として存在する。

また、エンジン油では燃焼生成物が多量に不溶分として混入していることから、潤滑油管理項目として重要。

試験方法としては溶剤(ペンタン、トルエン)のみの場合(A法)と、溶剤と凝集剤を使う(B法)二通りの方法がある。

ペンタン不溶分は油に不溶な物質および潤滑油、添加材に由来する不溶性樹脂を含む。

トルエン不溶分はペンタン不溶解分のうち、トルエンに溶けない部分であり、外部から入った汚れ、燃焼カーボン、燃料油、潤滑油、添加剤が劣化してできた炭素状物質、摩耗、腐食による金属粉を含む。

凝集ペンタン不溶解分は清浄分散剤を含む油の不溶分を測定する場合に用いる。

油中に分散している微細な物質を凝集剤によって凝集させて測定する。

凝集トルエン不溶解分は凝集ペンタン不溶解分のうちトルエンに不溶なものをいう。

不溶性樹脂質はペンタン不溶解分のうちトルエンに可溶な部分、すなわちペンタン不溶解分からトルエン不溶解分を差し引いたものである。

不溶分の主たる成分はA法の不溶分は摩耗粉、塵埃、高分子酸化劣化物とその金属塩。

B法はA法の成分の他に清浄分散剤で分散され、A法では分離できなかった高分子酸化劣化物や燃焼カーボンなどからなる一般に清浄分散剤性があり燃焼カーボンを多く分散しているエンジン油はB法で測定する。

測定方法は遠心分離管に潤滑油(10±0.1g)を採取し、溶剤を加えて100mlにして均一に溶解する。

その後、遠心分離処理(600~700G×20min)し上澄み液を除去し不溶分を分離する。この脱油操作を数回繰り返し、不溶分を乾燥させ重量を計測する。

A法は、使用溶剤がペンタンやトルエンで、それぞれ使用溶剤の不溶分として表示する。

B法は、A法で補足した不溶分に加え、A法で補足できない添加剤で分散されたすすや高分子量の酸化生成物などの沈降させるため、ペンタン-凝集剤溶液で処理して清浄分散性能(すすなどの不溶分を油中に分散させる力)排除したときの不溶分である。

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