APIによるベースオイルの分類

分類 硫黄分
飽和分
粘度指数 一般的な精製方法による分類
グループ I 0.03以上 and/or 90未満 80~120  溶剤精製油
グループII 0.03以下 and 90以上 80~120  水素化処理油
グループIII 0.03以下 and 90以上 120以上  水素化処理油
グループIV PAO  合成油
グループV グループ I ~IVに属さないもの


■ グループⅠ

溶剤精製された鉱物油(ミネラル 石油系炭化水素)

粘度指数 (VI) : 80 - 120

飽和炭化水素分 (Vol.%) : <90

硫黄分 (MASS%) : >0.03

■ グループⅡ

水素化処理精製鉱物油(ミネラル 石油系炭化水素)

粘度指数 (VI) : 80 - 120

飽和炭化水素分 (Vol.%) : ≧90

硫黄分 (MASS%) : ≦0.03

■ グループⅢ

(ミネラル/シンセティック 石油系炭化水素)

高度水素分解精製された高粘度指数鉱物油(近年化学合成油と表示されることが多い。ワックス水添異性化分解された基油もここに属している。)

粘度指数 (VI) : ≧120

飽和炭化水素分 (Vol.%) : ≧90

硫黄分 (MASS%) : ≦0.03

■ グループⅣ

(シンセティック 合成炭化水素)

PAO(ポリアルファオレフィン・オレフィンオリゴマー)

粘度指数 (VI) : 120 - 140前後

粘度指数は製品によって大きく異なっている。

また粘度が高いほど粘度指数は高くなり、一部の特殊グレードでは300を超えるものも存在している。

ただし、高粘度なものはエンジンオイルのベースとして使用するには粘度が高すぎるため、エンジンオイルにおいては粘度調整や添加剤としてブレンドされる程度であり、配合量は多くはならない。

ベースに使用される一般的な低粘度グレードでは粘度指数は極端に高くなることはない。

■ グループⅤ

グループⅠ - Ⅳ以外の基油。

エステル系(ジエステル、ポリオールエステル、コンプレックスエステル)の他、アルキルナフタレン、植物油もこのグループに含まれている。

グループⅠ - Ⅳ以外の全てが該当するため性質は様々である。エンジンオイルでは主にエステル系が用いられる為、エンジンオイルにおいてグループVと言えばエステルを指すことが多い。

エステルは設計の自由度が高く様々な仕様のものが製造出来るため粘度指数などはPAO以上に差が生じている。

競技用や特殊な例を除けばベースにエステルのみを使用することは少なく、通常では他のベースオイルとブレンドして使用するなど、添加剤に近い使われ方をしている場合が 殆どである。

エステルは強い極性を持つためその他の添加剤の働きを阻害することがあり、エステル表記があるオイルでも全体から見た配合量はさほど多くないことが多い。

基油にエステルのみを使用するケースや多量に配合するケースにおいては、使用するエステルの特性に合わせた添加剤の処方が求められている。

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