酸化防止剤

油を長期間空気の存在下で使用すると、酸化されてアルコール、アルデヒド、ケトン、カルボン酸などの酸化物が生成し、油の品質を著しく低下させるだけでなく、機械の故障原因にもなる。

この酸化を防ぐために添加されるのが酸化防止剤で、タービン油などの過酷な条件で使われる工業潤滑油、内燃機関用潤滑油、グリース、航空用燃料や自動車ガソリン等にも広く用いられており重要な添加剤の一つ。

酸化防止剤は作用機構の違いから遊離基抑制剤(Radical Inhibitor)、過酸化物分解剤(Peroxide Decomposer)、金属不活性剤(Metal Deactivator)の三つに分類される。

 ● 遊離基抑制剤(Radical Inhibitor)

  遊離基抑制剤は反応性の高いパーオキサイドラジカルを捕獲し連鎖反応を止め酸化防止を防ぐ。

 ● 過酸化物分解剤(Peroxide Decomposer)

  過酸化物分解剤は反応性の高いパーオキサイドを分解し安定な生成物に変える。

 ● 金属不活性剤(Metal Deactivator)

  金属不活性剤は油中の金属とキレート化合物を形成し、パーオキサイドが分解し活性ラジカルを生成するのを防ぐ。

■ 酸化防止剤の種類

  ● DBPC

  ● テトラメチル・ジアミノジフェニルメタン

  ● フェノチアジン

  ● ジアルキルジチオりん酸亜鉛

  ● 2,2メチレンビス(4メチル6ターシャリブチルフェノール)

  ● 4,4メチレンビス(2、6ジターシャリブチルフェノール)

  ● N、N-ジセカンダリブチル-Pフェニレンジアミン

  ● 2,2チオビス(4メチル6ターシャリブチルフェノール)

  ● N、N-ジサリシリジン-l、2-プロパンジアミン

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